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プロジェクトの目的

 アジア太平洋地域の途上国に、視覚障害者が、医療マッサージの専門家として就業できる体制を整備することを目的とします。この目的を達するために、取り組みの中核となる現地の人材養成のための講師派遣、育成した人材が国境を越えて相互に協力・支援できるネットワークの構築、職域確立の基盤となる職業教育に欠かせない教材の整備、それに関連するコンピュータ技術の指導等を行います。

目的の背景

 日本では、三百年以上も視覚障害者の職業として社会に定着してきた鍼灸マッサージ業(三療)があり、国家免許を取得すれば医療・介護施設、治療院、企業などに雇用されるか開業して経済的に自立することが可能です。アジア太平洋地域の途上国において、視覚障害者が自立するための職業がほとんど無いという現状で、医療マッサージ(注1)という技術が視覚障害をハンディとせずに、晴眼者に伍して競争できる専門技能だということが認識されはじめ、日本の民間組織(NGO・NPO)や公的機関が医療マッサージの指導及び指導者の養成を行っています。

注1;医療マッサージ 「医療マッサージ」は「慰安マッサージ」ないしは、いわゆる「風俗的マッサージ」と相対する概念として使われています。その本来の意味は、病院などの医療機関において、医学教育を修めたマッサージ師が、疾病や障害の予防・治療を目的に行うマッサージを指しています。しかし、医療資源の乏しい開発途上国では、健康の保持・増進、疲労やストレスの解消など健康で快適な市民生活を支援する医療に準じた手技行為を総称して、「医療マッサージ」と呼ぶ考え方が支持されています。東南アジア等で根付いている風俗的マッサージと明確に区別しつつ、視覚障害者の社会的・職業的評価を高める意味で、「医療マッサージ」の用語を使用することの意義は大きいものと思われます。

 その結果、医療マッサージの専門家として就業する視覚障害者が出始めてはいるが、その数を加速的に増加させるには至っていません。その理由の1つとして、地域内における絶対的な指導者不足、指導ノウハウ不足や指導のための教科書不足が挙げられます。
 日本では、筑波大学理療科教員養成施設(2年制・定員20名)において、盲学校の理療科教員を養成しており、指導者を養成するための施設が存在していますが、アジア太平洋地域においては指導者を養成するための施設やカリキュラムは整備されておりません。そのため、JICAが2003年から5ヵ年のプロジェクトで「視覚障害者自立支援のためのマッサージ指導者育成研修(アジア太平洋)(注2)」を実施しています。しかし、養成された指導者も各国の実情の違いにより、様々な問題を抱えているのが現状です。

注2;視覚障害者自立支援のためのマッサージ指導者育成研修(アジア太平洋)
 本コースは視覚障害者のマッサージ教育に従事している指導者に対し、マッサージに対する医学的な基礎知識と技術、我が国のマッサージ免許制度の概要及びマッサージ施術所を経営・管理するために必要な技能を紹介し、自国におけるリーダーとしての資質向上に寄与することを目的とします。
・2003年は事前研修として、政府関係者やNGO関係者など7カ国8名の研修員が、約40日間の研修を修了しました。
・2004年は、指導者研修として8カ国10名の研修員が半年間に、基礎医学・臨床医学・あん摩実技を中心に600時間を超える研修を修了しました。
・2005年は、指導者研修として3カ国3名の研修員が半年間に、基礎医学・臨床医学・あん摩実技を中心に600時間を超える研修を修了しました。
・2006年は、指導者研修として1カ国1名の研修員が半年間に、基礎医学・臨床医学・あん摩実技を中心に600時間を超える研修を修了しました。
・2007年は、指導者研修として4カ国5名の研修員が半年間に、基礎医学・臨床医学・あん摩実技を中心に600時間を超える研修を修了しました

 そこで,我が国の医療マッサージの指導者と地域内の指導者間のネットワークを構築し,我が国の指導者が直接現地に赴いて指導したり、地域内の指導者や学習途上の者が日本を訪れて直接指導を受けるなど、各国の実情に会わせた指導や教材の提供などにより、問題を解決する必要があります。

プロジェクトの目標

 地域内における視覚障害者の経済的自立のための職業として、医療マッサージが適切であるとの認識が広まりつつあります。そのため、日本国内の医療マッサージ関係者が、国内外において地域内の視覚障害者へ医療マッサージの講習を行っています。
 このことは、一定の成果を挙げつつありますが、日本から地域内各国への二国間協力という方法のみでは指導できる人数に限界があります。また、医療マッサージを指導できる人材を育成し、各国の当事者間で医療マッサージを指導し修得することができる状態にすることも必要です。しかし、指導者の人数や指導技能は、まだ十分ではありません。
 そこで、これらの問題を解決するために、地域内各国の指導者のヒューマンネットワークを構築し、日本からの指導と同時に、自発的な相互協力が行える状態を構築することも目指します。
 ネットワークの基本となるネットワークミーティングや講習会を国内外で開催し、ワークショップを設けて問題解決と技術の向上を図ります。第1回キャンプは、当事者組織のネットワークを設立します。第2回キャンプ以降は、日本が主導する形で指導技能のスキルアップを計り、また、日本国内で講習会を行うなど、各国の実情に合わせた協力体制を検討します。
 ワークショップでは、指導技能のスキルアップ(注3)を柱とし、必要に応じて新たなワークショップを設けていきます。

注3;指導技能のスキルアップ
基礎医学、臨床医学に関する知識とマッサージや運動療法に関連する技術の向上を図るとともに、指導者の資質として必要な情報技術、教材作成等に関する技術の習得を目的に、フォローアップを行います。

 このように、ワークショップ型会合を開催し、地域内の指導者間の緊密なネットワークが構築されることにより、高い指導技能を持った指導者が育成され、視覚障害者への質の高い医療マッサージ指導ができる状態とします。また、地域内において開催される医療マッサージ講習会の講師の相互派遣や共通の教材作成等の協力が行える状態とします。
 さらに、医療マッサージ専門用語集や独自の指導者用教科書を作成することにより、ネットワークを側面から支援することができます。