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ニカラグアにおける東洋医学教育ボランティア活動報告 2015 4. 考察(7項目)

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4. 考察(7項目)                                      最後



1 指圧講座の教育
 第1期から第5期までの指圧講座の修了生は合計44名で、ほとんどの人が指圧を職業にしていて、東洋医学大学は彼らの自立に大きく貢献している。臨床実習や各種の東洋医学啓発活動の経験からニカラグアの人々が東洋医学に好感を持ち期待しているのが分かる。指圧・あん摩については健康保持増進の目的よりも各自が抱えている疾患の治療や症状の改善など過大な効果を期待している感じさえ伺える。こうした状況から現行の指圧講座の教育を向上させるため、症状別指圧講座の開設と臨床実習で指導者を配置するように大学に要望した。


2 指圧とあん摩技術の関係
 ニカラグアでは指圧よりもあん摩は高度な技術であり、難しいように思われている。指圧に比べるとあん摩には揉捏と曲手の主義があり、これらの手技の習熟にかなりの時間を要する。揉捏は漸増圧と漸減圧の状態に加えて、一定のゆっくりしたリズムの動きが加わる。
体表面から見れば垂直方向の圧力変化と水平方向の滑らかな運動、そして安定したリズムの体重の移動が組み合わさって実現している。東洋医学大学では結果的に大学生も視覚障害者指圧講座の修了生も指圧を学んだ後にあん摩を学んだ。指圧の学習で体重圧のかけ方と体重移動のリズムを習得した者にとって、あん摩の技術習得は好都合だったと思われる。


3 親指外転の個人差と揉捏
 手の親指と示指の開く角度、親指外転の角度が、個人差が見られた。この親指外転の角度が大きい、つまり親指腹と四指との対立関係がよくできる学生は、親指揉捏法を習熟しやすかった。一方、親指外転の角度が小さく、つまり、親指腹と四指との対立の形態が十分でない学生は親指揉捏がぎこちなく、やりづらいものになった。そこで可能な限り両方親指揉捏を行うという方法で、この問題を解決した。


4 曲手などの手技
 曲手の習得には毎回、授業の終わりに5分間の練習をした結果、基礎的な技術は習得できた。
ニカラグアでは、こうした曲手の類、突手、挫き手、雷手など、驚きをもって受け止められ、難しい印象を与えてしまうが、練習を繰り返すための工夫をしてやり、上達してくると、彼らの喜びも大きい。
また、合掌打、拍打など音の出る主義は好まれ、チャチャチャチャ・パカパカ・ポンポンと必要以上に長くやっている。その音を聞くと何か東洋とラテンの文化的な違いを感じた。


5 職場開拓の必要性
 ニカラグアでは1日2ドル以下で生活している人が国民の約半数と言われる。こうした状況で指圧講座の修了生はほとんどがこれを上回る生活状況であったので、少し安心した。
しかし、自宅開業者の収入は少ない。一方、治療院に勤めている修了生は、かなりの収入を得ている。これからは、自宅開業者が勤められる治療院を開拓する必要がある。


6 法定雇用率
 ニカラグアの障害者に関する法律「法763号」によれば従業員が50人以上の公社または企業は全従業員の2%以上の障害者を雇用する義務があると規定されている。現在は実現していないが、将来この規定を生かして職場開拓の支援を進める必要がある。


7 視覚障害者学部を設立する意義
 現在、東洋医学大学では政府の大学設置の方針に従って学部を増設する過程にある。その一つに視覚障害者学部を新設する予定がある。これは、視覚障害者が、鍼灸、指圧、あん摩などの東洋医学を5年間学ぶものである。実現すれば、ニカラグアの視覚障害者ばかりでなく周辺国の視覚障害者にとっても東洋医学を学ぶ機会が比較的身近になり、同学部の設立の意義は大きい。


最後