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ミャンマーニュースレター 第1号(2010年3月発行)
(NPO法人 ジャパンハート)


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JAPAN HEART とは

2004年に10年近く海外医療に関わってきた吉岡医師によって医療ボランティア,ジャパンハートは設立されました。 2006年には大きく育った看護師達を中心に海外の臨床医療のみならず国内を含めた様々な活動に取り組むために 看護部を海を越える看護団と命名し,独立させ,活動を行っています。(JAPAN HEARTのHPより抜粋)

JAPAN HEART のHPは、こちらです。

はじめに

 年度末を迎えられ、各関係機関の皆様に置かれましては、大変ご多忙の毎日をお過ごしのことと拝察いたします。 日ごろは、私どもジャパンハートの「ミャンマー視覚障害者医療マッサージトレーニングセンター設立プロジェクト」に 対しまして、ご理解・ご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。
 お蔭様で現地ミャンマーでは、先月8日に全ての関係者が無事にミャンマー入りし、盲学校を初めとする 視覚障害者関係諸機関への訪問や関係者との意見交換など5月のトレーニングセンター開校に向けて本格的な 準備を開始いたしました。
 この度、ニュースレター第1号が完成いたしましたのでお送りいたします。それから、私どもの インターネットブログ(http://blog.livedoor.jp/myanmar_mirai/)も 立ち上がりましたので、ご覧いただければ幸いです。 このように様々な情報媒体を通して、多くの方々に私どもの活動の様子をお知らせできればと考えております。
今後とも、引き続きご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

ミャンマーにおける視覚障害教育と職業自立への期待 −塩崎 真也−

 偶然届いたある1通のメールから医療マッサージのボランティア講師としてミャンマーへ行くことを決心しましたが、 教員になった約10年前は、この国で教えることになるとは全く想像もしていませんでした。


 ミャンマーは毎日本当に暑く、3月に入ってからは昼間だけでなく朝晩も蒸すようになって来ました。 このような気候のためか、現地の関係者との公式なアポイントメントや関係先訪問などがあっても、 「ネクタイとスーツ」ではなく「半そでシャツ1枚と裸足にビーチサンダル」と言うのがこちらの一般的な身なりです。 初めは、「相手に失礼になりはしないか」と戸惑っていましたが、少しずつミャンマーの習慣に慣れてきています。 また、頻繁に起きる停電・断水も徐々に生活の一部となり、停電がないと逆に、「あれっ、今日はなんでかなあ? ・・・」と 思うほどに適応しつつあります。このように楽しく貴重な経験を毎日させていただいており、指導者の立場で来たはずの 私自身が一番いろいろなことを学ばせていただいているように感じます。


 そんな中、先月末にミャンマー全国の全ての盲学校を訪問する機会がありました。行く先々で大変温かく迎えていただき、 トレーニングセンターに関する意見交換を含め、先生方や生徒の皆さんと交流してきました。 そこで、第1号となる今回のニュースレターでは、ミャンマーの視覚障害教育を取り巻く現状についてご報告したいと思います。


 日本の約1.8倍の国土を持つミャンマーには、40万人以上(ミャンマーの人口は約6千万人)の視覚障害者がいると推定され、 国立2校と私立6校(キリスト教系2校、仏教系2校、その他2校)の合計8校の盲学校があります。 国立の盲学校はミャンマー政府社会福祉省の直轄下に置かれ、私立学校の多くが視覚障害当事者によって設立・運営されています。 これらの学校の多くがミャンマー中部に集中し、各校の生徒数も10数名の小規模校から150名以上の大規模校まで様々です。


 ミャンマーでは、各盲学校によって教育内容が多様性に富んでいます。ヤンゴンなど都市部の学校では、点字や歩行訓練などの いわゆる自立活動に関連した指導に加え、一般校に準じた教科指導など、日本のような視覚障害教育が本格的に実践されており、 一般大学へ進学する卒業生もおります。一方、専ら点字指導や障害受容のためのピアカウンセリングやピアレクリエーション活動に重点を置き、 事実上教育機関と言うよりは視覚障害者福祉施設として機能している学校もあります。 そのため、どの学校に入学するかによって、受けられる教育内容が大きく異なってくると言えます。


 現在、ミャンマーでも世界の多くの国々と同様に視覚障害者の職業自立が大きな課題となっています。 大学や大学院を卒業しても就職口は皆無で、母校である盲学校に戻り、普通教科教員として勤務するケースがほとんどです。 また、卒業後の進路が全く決まらずに、再び自宅や学校で無期限待機のような状態になる卒業生も少なくありません。 このような状況の中で、ミャンマーの多くの盲学校では、音楽・竹細工・占い師・マッサージなどに関する職業教育が行われていますが、 どれも他国と同様、経済的自立には結びついていないのが現状です。


 マッサージの指導は、比較的新しい職業教育分野として行われています。実際の指導は、マッサージ経験者が実技のみを伝えており、 解剖学・生理学等の医学的知識に関する指導は全く行われていません。更に、一定の標準教育カリキュラムもなく、 それぞれの学校でそれぞれの指導が行われています。一般的に、医療としてのマッサージに対する意識が低い東南アジア地域では、 基礎的な普通教科指導がないままにマッサージ指導が行われているケースも見受けられます。 それだけに、この分野において長い歴史と大きな実績を持つ日本に対する関心と期待は大変高く、 「医療マッサージによる視覚障害者の経済的職業自立をぜひ実現させたい」という強い願いが、今回の訪問中も全ての関係者からせつせつと伝わって来ました。


 今回は、短期間に全国の学校を訪問しましたが、各盲学校で日本に負けないほどの元気な生徒たちの声が聞こえ、 熱心に指導に当たっておられる先生方の姿がありました。どこへ伺っても日本の特別支援学校にいるようななんとなく懐かしい感じがして、 国は違っていても、生徒たちの自立への思いや先生方の視覚障害教育にかける熱意は共通していると確信できました。 今後は、このようなミャンマーの現状やこれまでいただいた色々なご意見を十分に踏まえ、 多くの方々と共に南国ミャンマーに根ざしたトレーニングセンター設立に向け可能な限り努力したいと考えております。

ミャンマーの盲学校一覧(アルファベット順)

国立盲学校

私立盲学校